掲載日:2025.5.20
バッテリ・エミュレーションが可能な4チャンネル・ソース・モニタ・ユニット
エーディーシー/ADCMT SMU(ソース・モニタ・ユニット) 40064
40064 は4000 2 スロット・モジュラ計測器に搭載する-0.2 V~+6 V/±1 A出力、4チャンネルのSMU( ソース・モニタ・ユニット)です。オーバーシュートのない、低切り替えノイズ、高速リミット(コンプライアンス)特性を持った低ノイズSMUです。電圧発生は6 Vフルスケールで100μV,電圧測定分解能は10μVです。あらたに開発した回路方式により、0.1mΩ~ 400 Ωのプログラマブル出力抵抗、25 nS ~ 100 mSの出力コンダクタンスを実現。電圧発生の出力ノイズはDC~20 MHz で8 mVpp 以下と低ノイズですが、さらに別売のCC0460064 出力ノイズ・フィルタを使用すると2 mVpp 以下まで低減することができます。測定回路は積分時間200 μsから12 PLC( パワーラインサイクル)の5½桁のAD変換器を使用しています。各SMU は独立したDC 測定のほか,リニア、フィクスド、ランダム・スイープ測定が可能でチャンネル間、ユニット間で同期測定が可能です。4000 には2 ユニットが搭載可能ですので、2 ユニットで8チャンネルの出力が可能です。
ユニット間のアイソレーションは1000 V、ユニット内のチャンネル間は50 V です。そのため、1 チャンネル 5 V/±1 A では200 チャンネル、50 ユニット、25 台の直列接続で+1000V の発生が可能です。また、各チャンネル個別に出力抵抗、または出力コンダクタンスが設定可能ですので、直列に接続したバッテリ・スタックのシミュレーションが出来ます。
アプリケーション
4 チャンネル SMU として
チャンネル同期スイープ機能、電圧電流測定機能を使用して半導体のI-V 特性AMP モジュールなどの評価に。
各チャンネルを同期して発生・測定が可能ですので、複数の端子を同時にコントロールが必要なRF フロントエンド・モジュールの評価用として、低ノイズの電圧源、信号源の印加、電流測定( 最小電流分解能:10 nA ) が1 台で可能です。
バッテリ・テスタとして
電流発生モードでHIリミット電圧を上限、LOリミット電圧を下限に設定することにより充電時、放電時のコンプライアンスが設定可能で、安全なCC/CV 充放電試験によるVOC,ESR 特性測定が可能。
また、低バイアス電流(200 nA 以下)6.00000 V, 10 μV分解能の電圧測定による自己放電特性測定が可能。
バッテリ・シミュレータとして
1000 Vまでの直列接続が可能なため、BMS( Battery Management System)の評価用として使用することができます。
40064 バッテリ・テストまたはADC 計測電源624×で測定、またはシミュレーションで得られたVOC、ESR 特性を発生電圧と出力抵抗として内部メモリに記憶させ、任意のステップ時間で発生することにより、実バッテリでは得られない再現性、評価時間短縮が可能となります。
40064 はランダム・スイープ機能を使用して、各チャンネルに上記特性カーブを同期して発生することができます。また、チャンネル毎に発生範囲をずらして発生することにより、バッテリの使用状態が異なるカーブの組み合わせを同期して発生できます。
さらに、“GRS”コマンドにより、特性カーブの1 ポイントを連続発生できます。