テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器

テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器

多くの家庭に1台はあるテレビやビデオ、オーディオ機器。それらが映像や音声を正しく再生できるかどうかを検証するのがテレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器です。自社ではコントロールしにくい電波を自由に変化させたり、再生品質を定量的に評価できたりといったメリットがあります。本ページではテレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器とは何か、種類、メリット、活用事例、よくある質問などわかりやすくご紹介しているため製品の選定にお役立てください。

テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器とは

まずは、テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器がどのようなものなのか解説します。

映像や音声の再生品質を評価するための装置

テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器とは、それらの機器で再生される映像や音声の品質を評価するための装置です。

これらは決まったフォーマットに従って送信/格納されたデータを解釈し、映像や音声に変換するのですが、解釈の方法に誤りがあると正しく再生できません。また、再生できたとしてもノイズなどが多く発生し快適に視聴できないこともあるでしょう。

テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器は製品開発時に実際の再生環境を模したデータを与え、それによって再生される映像や音声を評価できるようになっており、ユーザーが映像や音声をストレスなく楽しめるか確認するのに役立ちます。

テレビやラジオの電波を発生させられる装置も存在

ブルーレイやCDといったメディアに格納された映像や音声は比較的かんたんにテストできますが、テレビやラジオといった電波に乗ったデータを受信する機器の評価はかんたんではありません。

電波は距離とともに減衰するほか、障害物に当たると反射したり、ほかの電波と干渉したりする可能性があります。

そこでテレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器のなかにはテレビやラジオの電波を疑似的に発生させられる装置があります。

このような装置を利用すれば理想的に電波が受信できる場合だけでなく、電波が弱いときのなどコーナーケースでの動作も試験でき、開発機器の品質向上に役立つでしょう。

8K放送対応測定器も登場

日本ではすでにアナログ電波によるテレビ放送が終了し、地デジや4K放送が当たり前になっています。

さらにNHKが8Kとよばれる地デジの16倍高精細なテレビ放送を2018年に開始済みです。8K放送では映像が高精細なだけでなく、22.2チャンネルという多チャンネルの音声再生もサポートしており、今後の普及が期待されます。

映像や音声が高品質になるということは、再生機器に求められる性能が高くなることを意味しており、測定器に関しても8Kに適した測定器が必要です。すでに8Kに対応した測定器は利用可能であり、多機能な測定器を利用することで製品の早期リリースに寄与するでしょう。

テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器の種類

テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器の種類を解説します。

標準信号発生器

標準信号発生器はテレビ放送やラジオ放送の電波を模した信号を発生するための装置です。

公共のテレビ放送やラジオ放送は電波塔から送信されており、メーカーがその電波を自由に制御できません。このため、電波の減衰や干渉といった事象を自由にコントロールすることが難しく、開発製品の検証に時間がかかる可能性があります。

標準信号発生器を利用すれば、テレビやラジオが受信する電波を自由に制御可能です。理想的な状態の電波はもちろん、電波状態が悪くなった状況も再現できるため、コーナーケースでの製品動作の検証にも利用できます。

また、テレビ放送やラジオ放送の規格は国ごとに異なりますが、すべての国に赴いて製品のテストをおこなうには時間やコストがかかります。標準信号発生器のなかには1台で世界中のさまざまな放送規格の電波を再現できる機器が存在しており、グローバルな製品展開に役立つでしょう。

AV計測器

AV計測器は再生された映像や音声を評価するための装置です。

映像や音声は人間の目だけで評価しきれるものではありません。たとえば動画のフレームが1フレーム抜け落ちても気づかない可能性がありますし、可聴域外の音声信号は人間に耳では聞き取れません。

AV計測器なら再生機器が生成した映像や音声の信号を解析し、定量的な評価をおこなえます。単に再生できるかどうかだけではなく、ノイズ比なども評価できるため、より高品質な製品開発に役立つでしょう。

また、色合いのヒストグラムを取るなど統計的な処理も可能ですので、自社独自の映像や音声の「味付け」が可能になり、他社製品との差別化につなげられるかもしれません。

信号発生器とAV測定器が一体になったものも

テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器のなかには、信号発生器とAV測定器が一体になったものが存在します。

このような機器は信号発生機能と測定機能の連携が容易です。このため、測定にかかる手間を抑えられます。

また、1台で両方の機能をまかなえるため省スペースになりますし、2台の機器を買うよりもコストを抑えられる可能性があるでしょう。

パソコン制御で自動測定

最近のテレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器のなかにはパソコンで制御可能なものが多数存在します。

パソコンで制御することで一連の検査を自動で実行したり、複数の測定器を1台のパソコンで集中管理したりできます。また、パソコンに接続した大型のディスプレイを使えば測定結果の確認もしやすいでしょう。

また、測定器の機能をAPIとして提供されているものもあり、自社製の独自アプリに制御を組み込むことも可能。他の機器との連携や自社にあわせたカスタマイズも容易です。

液晶検査装置

テレビやスマートフォン、パソコンなどで日頃から目にする機会が多い液晶ディスプレイは精密機器であり、個体間のばらつきが避けられません。場合によってはドット抜けや色むら、異物混入などが発生することもあります。

液晶検査装置は液晶ディスプレイに使われるパネルを検査するための装置であり、工程ごとに個体の品質を検査可能です。販売前に不良個体を検出することで自社製品の品質が上がり、顧客満足度向上が見込めます。

テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器のメリット

テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器を導入するメリットを解説します。

品質の高い映像・音声再生機器を開発できる

品質の高いテレビやビデオ、オーディオ機器の開発には検証が欠かせません。

これらの機器は通常状態はもちろん、あらゆるコーナーケースで破綻なく再生できることが求められます。特にカーナビやカーオーディオ、スマートフォンといった移動体での電波の受信にはさまざまなコーナーケースが存在し、その検証は容易ではありません。

テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器を利用することで再生機器に入力するデータを自由に制御できるようになり、検証の加速に役立つでしょう。これまで開発期間の都合上省いていた検証も可能になるかもしれません。

自社製品の差別化につなげられる

テレビやビデオ、オーディオ機器には競合製品が多く、そのなかで勝ち残っていくには差別化が重要です。テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器を利用することで自社の強みをより強化し、魅力的な製品作りに役立てられます。

また、評判の良い他社製品には学ぶべきところがあるはずですが、そのような製品の解析に利用することで強みや弱み、そしてノウハウの解析が可能になるでしょう。

コスト削減につなげられる

新しいテレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器を導入することでコスト削減につなげられる可能性があります。

先述のように最近の測定器にはパソコンと連携して検証を自動化できるものが多く、うまく利用すれば必要な時間や人員を削減できるでしょう。また、1台のパソコンから複数の測定器を集中制御できれば管理のためのコストも下げられます。

さらに製品の品質を上げられれば顧客サポートのためのコストが削減可能です。

活用事例

8K対応ビデオ信号発生器で8K×4K長高解像度のテストを

8K対応ビデオ信号発生器は、モジュール方式を採用し、8Kスーパーハイビジョン解像度(7680×4320/8192×4320)試験が行えます。信号モジュール(HDMI/DP)1つにつき、30Hz/60Hzの8Kスーパーハイビジョン解像度試験に対応していて、4信号モジュールまで搭載可能です。8Kのすべての試験が行えます。テレビ、モニタ、プロジェクタ、VR/AR、医療設備、航空/宇宙ダッシュボード、公共交通で使用する映像関連製品の評価に最適です。

オーディオアナライザ+AM/FM信号発生器で設備投資コスト低減に貢献

「オーディオアナライザ」と「AM/FMステレオ信号発生器」の両機能を1台に搭載した装置であれば、自動計測を行う生産現場において、高速測定かつ省スペース・省エネ・低コストを実現可能です。高さ100mm、重さ6kgというコンパクトサイズにより、生産現場に省スペース化をもたらします。カーナビ、カーオーディオの検査に最適です。それぞれの機能を持つ測定器として使用できます。

様々な機能を搭載したラジオコミュニケーションテスタでコンパクトな測定

WindowsパソコンとUSB接続して使用するラジオコミュニケーションテスタは、デジタル無線機+20MHz~1,300MHzのアナログ(AM/FM)の送信機/受信機の性能試験を行える総合試験器となっています。アナログ(AM、FM)、スペアナ機能、デジタル無線機を搭載しているため、スプリアス領域や帯域外スプリアスの測定も行えます。操作はPC画面にて簡単に行え、A5サイズと小型、約1.1kgで軽量なため、持ち運びにも適しています。

質問集

RDS(RBDS),DARC,ステレオ変調器が1台でできる装置はありますか?

マルチプレクス方式を採用し、ご希望の仕様に応じて組み合わせを選ぶことができるFM多重信号発生器があります。付属のアプリケーションソフトを使用すると、パソコン上で容易にデータを作成、編集することができ、ダウンロードすることにより、任意のデータを出力させることも可能です。

オーディオアナライザでBluetoothの評価もしたいのですが、合うものはありますか?

オーディオアナライザには、バランス・アンバランス・Optical出力とBluetoothを搭載した製品があります。アナログの発振器やオーディオアナライザ、およびデジタルジェネレータの機能を搭載しているため、従来のラジオ受信機や音響関連機器等だけでなく、デジタルオーディオ機器やBluetooth搭載の機器などの検査・特性評価にも利用できます。

車内で使用できるコンパクトなRFキャプチャはありますか?

薄型省スペースで省エネタイプなRFキャプチャ&プレイバックシステムがあります。このシステムなら、AM/FM、デジタルTV信号、HDラジオ/シリウス/XM、Bluetooth、GPS、WiMAX、WiFi、LTE等の各種RF信号の再生(プレイバックモード)や記録(キャプチャモード)を一台で可能です。

テレビ・ビデオ・オーディオ関連測定器 メーカー商品一覧

製品トピックスをもっと見る

製品トピックス